仮想通貨バブルのなかで、その実体(実態)に疑問を持たざるを得ない仮想通貨がいくつも登場している。そんな中、筆者は先月「ノアコイン」のセミナーに潜入、いくつもの疑問を提示した(前回記事はこちらから→http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51542)。そのノアコインのセミナーが、6月10日、再度開かれた。今回はテレビでお馴染みのタレントが次々に登場したのだが…。
中略
「1000兆円もすぐに行くでしょう」
ノアコインの旗振り役の男にして、セミナーを主宰するのは、情報教材で荒稼ぎをしているネットアフィリエート界の大物である。この男を前回同様「A」と呼ぶが、Aはノアコインの販売にあたって、フィリピンの大財閥の企業グループやその総裁が、ノアコインの販売を後押ししているなどと吹聴してまわっていた。
その財閥の総裁は、筆者の取材に広報を通じて関与を全否定しているのだが、このセミナーに堂々と姿を現したAは、「僕は一度もウソを言ったことがないですから」とのたまうのだから、のっけから驚くばかりだ。
Aは、今回のセミナーについて事前に、「登場するゲストの方々をご覧いただければ、ノアコインがどれだけすごいものか分かってもらえる」という旨の告知を行っていた。そこまでいうなら、筆者を驚かせるぐらいの財界人あるいは政治家が登場するのだろうと、半ば「期待」していたのだが…結論から言ってしまえば、まったくナンセンスな内容であったのだ。
ノアコインについては、以前と同じ構想について繰り返すだけ。「賛同している」と言い張ってきた財閥が、関与そのものを全否定したことにはなんの説明もなし。そして、延々とフィリピンに多少縁のあるタレント・有名人が登壇するのみ…。
一部、フィリピンの財界や司法界に関わる人物も登場したが、彼らの口からノアコインの実態について語られることはなく、有益な情報はかけらもなかった。有名人が登壇しAと談笑するたびに、このセミナーの不可解さばかりが醸成されていくように、筆者には感じられた。
ところが聴衆はそうではなかった。セミナーの冒頭、Aと共にノアコインの販売を手掛ける男が登壇し、こう発言して見せた。
「今話題の仮想通貨はこの半年で時価総額が一気に10兆円に達した。1000兆円もすぐに行くでしょう。僕は今回、きっちりとノアコインで(値上がり益を)取ってやろうと考えてます!」
こんな根拠不明瞭な大風呂敷にも、会場は拍手で応えるのだ。聞けば聴衆の殆どがすでにノアコインを購入しているという。
この熱狂の背景には、おそらく5月の中旬ごろから話題になった仮想通貨市場の高騰があるのだろう。仮想通貨バブルをけん引するのは、言わずと知れたBTC(ビットコイン)である。
去る5月22日は「ビットコイン・ピザ・デー」だったことをご存じだろうか。7年前のこの日、米フロリダ州でBTCを使って初めて取引が成立した記念日。当時、25ドル相当のピザ2枚が、1万BTCと交換された。つまり当時は、1BTCが0.0025ドルに過ぎなかったのが、今では2500ドルに達した。BTCの価値は7年間で実に100万倍となったのである。
BTCの狂乱相場を目の当たりにし、一獲千金を夢見た人たちが、このノアコインセミナーに集結しているのだ。会場には緑色のTシャツを羽織る男女が大勢いる。目を凝らせば、そこには「NOAH FOUNDATION」というロゴがプリントされている。
(Aらの説明によれば、このノアファウンデーションこそが、ノアコインを主宰している団体であるという。
Aはこの団体の趣旨に共鳴し、「外部の賛同者としてノアコインを販売している」旨、筆者に説明しているが、筆者があらゆる方法を駆使して調べてみても、このノアファウンデーションは、そのメンバーも含め、その実態が未だに確認できていない。)
以下ソース
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52171
【仮想通貨】「疑惑の仮想通貨」ノアコインのセミナーに現れた、あの有名人たち。華原朋美に道端アンジェリカ
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